設備を入れ替えて空室対策!賃貸設備の最新トレンドを公開します

賃貸経営を行う上で、入居者のニーズに適した設備を導入するのは非常に重要です。同じ条件、同じ家賃であれば、入居者は流行りの設備が整っている物件に入居したくなるものだからです。適切な設備を導入することは、同時に空室対策にもつながります。

入居者が賃貸物件に求める設備は年々変わります。最新のトレンドを押さえて、時代に乗り遅れないように設備を導入することが肝心です。今回の記事では、賃貸経営での設備導入のポイントを解説していきます。

1、空室対策には設備の入れ替えがおすすめ

部屋探しをしている人が入居したくなる賃貸物件には、「家賃が安い」「駅から近い」「築年数が浅い」「希望の設備が整っている」などの特徴があります。駅からの距離や築年数は物理的な問題なので改善することは難しいです。しかし、設備変更はいつでも行えるので、空室対策には非常にオススメな方法です。

(1)設備が古いことによるデメリット

賃貸物件は、築年数とともに備え付けの設備も古くなります。設備が古くなると、入居者が物件を探すときに、選ばれにくくなるというデメリットがあります。たとえば、温水洗浄便座を必須と考えている人にとっては、その設備が付いていないという理由で、選択肢から外れてしまいます。

室内、室外どちらの設備にしても、賃貸物件では入居者は貸主の許可なく交換することはできません。そのため、設備が古くなると、入居中の入居者が他の物件に移ってしまう可能性も出てきます。

このように、設備を古いままにしておくことは、新たな入居者がつきにくくなるだけでなく、退去者を増やしてしまう要因にもなるので気を付けましょう。

(2)設備入れ替えによるメリット

賃貸物件での設備入れ替えによるメリットは非常に多いです。たとえば、適切な設備交換を行えば、入居者からの物件の評価が高くなり、空室を発生させにくくします。つまり、部屋探しをしている人から選ばれやすくなる物件になります。

また、賃貸中の部屋に対して、最新の設備を導入することにより、入居者満足度が上がるので、退去者が減るというメリットもあります。

さらに、賃貸経営事業では、設備の入れ替えにかかる費用は経費計上することが可能です。つまり、空室対策もできて節税対策も同時に行えるというメリットがあるのです。

(3)何年周期で交換するのがベスト?

設備には、外の設備の「オートロック」「防犯カメラ」「駐輪場」などがあり、中の設備には、「キッチン設備」「エアコン」「お風呂」などがあります。

設備によって耐用年数は異なるため、一概に交換の周期を断言することはできません。一般的には、給湯器やエアコンなどは10~15年を目安に交換を検討します。浴室設備や洗面化粧台については、15年経過あたりから交換の検討をしていくと良いでしょう。

2、どんな設備が人気がある?入居者のトレンドを知りたい

一概に設備を入れ替えると言っても、どの設備をどのタイミングで入れ替えるのかは物件によって異なります。設備の入れ替えや導入を検討する前に、実際に入居者の需要について調査する必要があります。ここでは、最新の入居者トレンドを公開していきます。

(1)入居者トレンドを公開

毎年、全国賃貸住宅新聞が、「入居者に人気の設備ランキング」を発表しています。ここでは参考に、2019年版の人気設備ランキングを、単身者向け、ファミリー向けに分けて3位まで発表します。

「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる」ランキングTOP3

順位単身者向けファミリー向け
1位インターネット無料インターネット無料
2位オートロック追い焚き機能
3位宅配ボックスオートロック

「この設備が無ければ入居が決まらない」ランキングTOP3

順位単身者向けファミリー向け
1位室内洗濯機置場室内洗濯機置場
2位モニター付インターホン独立洗面台
3位インターネット無料追い焚き機能

(2)室内の設備

上記の結果では、室内の設備で人気があるのは、ファミリーはお風呂の追い焚き機能でした。この設備があれば、周辺相場より家賃が高くても決まるという結果です。「この設備が無ければ入居が決まらない」ランキングでも第3位ですので、非常に需要の高い設備ということがわかります。

また、単身者、ファミリー向けともにインターネット無料がランキング上1位になっているので、まだ導入をしていない人は、早めに検討した方が良いでしょう。

(3)室外の設備

室外の設備では、単身者、ファミリーともに、オートロックが上位にランクインしました。世帯構成を問わず、セキュリティーに対する関心が非常に強いようです。万が一賃貸物件内で事件が起きてしまうと、その後の賃貸経営に大きなダメージを与えます。入居者需要への対応だけでなく、物件を守るという観点からもオートロックの導入はオススメです。

その他、単身者向けには宅配ボックスの注目度が上がっています。インターネットによる買い物が主軸になりつつあることが理由でしょう。単身者は仕事や学校で日中留守にすることが多いですし、ファミリーも共働き夫婦が増えています。宅配ボックスの活用は今後ますます増えていくと考えられます。導入を検討しても良い設備の一つといえるでしょう。

3、実際に設備を入れ替える方法

賃貸物件の設備の入れ替えは、空室対策において有効な手段です。しかし、やみくもに交換、導入すればいいという訳ではありません。物件ごとにターゲットにしている入居者層が異なるからです。

ターゲットのニーズに最適な設備を導入しないと、需要と噛み合わず、無駄な支出になってしまいます。ここでは、設備導入を検討したときの相談先を紹介します。

(1)管理会社に相談する

入居者のニーズを最も把握しているのは、賃貸管理会社です。そのため、どのような設備を導入するのが効果的か、管理会社に相談するのは得策です。入居者に希望設備のアンケートを取っている管理会社もありますので、実際のデータを見せてもらって検討するのも良いでしょう。

ただし、注意点もあります。多くのケースでは、管理会社を通じて設備を導入すると、業者から管理会社に紹介料などの手数料が入ります。そのため、管理会社によっては必要のない設備を勧めてきたり、無駄に割高な設備を紹介してくることがあります。本当に必要な設備で、価格の妥当性については、しっかり見極める必要があります。

(2)工務店やリフォーム会社に相談する

管理会社に頼んでいない、または管理会社に頼むのに抵抗があるという方は、直接工務店やリフォーム会社に相談する方法もあります。管理会社を通さないので、その分コストを安く抑えられます。

しかし、どのような設備を導入するべきかを自分自身で考えなくてはなりませんので、賃貸ニーズについて事前の調査をしっかり行う必要があります。

(3)不動産コンサルタントに相談する

不動産コンサルタントは、物件ごとに最適な設備導入のプランを提案します。

数万円、数十万円、戸数が多ければ、数百万円というコストがかかるのが設備交換です。実際に、設備交換、導入を実施した結果、どのくらいの期間で投下資本を回収できのか、正確な数値で見ていく必要があります。

賃貸ニーズの調査や、適切な設備の選定、そして投下資本回収のシミュレーションは、慎重に行う必要があります。不動産コンサルタントに依頼することで、無駄な経費をかけずに、適切な設備交換を行い、空室対策を実施することができるでしょう。

まとめ

今回の記事では、空室対策に不可欠な設備導入について解説しました。賃貸経営を行う上で、入居者のニーズを把握して、適切な設備を導入することは非常に重要です。不適切な設備交換をしてしまうと、コストが重み、空室対策への効果が出ません。

髙野不動産コンサルティングでは、オーナー様に向けた空室対策のコンサルティングを行っております。適切な設備交換を実施して、早期に空室を埋めたいと考えている方は、髙野不動産コンサルティングまでお気軽にご相談ください。

髙野不動産コンサルティングへのご相談はこちらから承っております。

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高野 友樹(不動産コンサルタント)

株式会社 高野不動産コンサルティング 代表取締役 / 株式会社アーキバンク 取締役 COO / 不動産会社にて600件以上の仲介、6,000戸の収益物件管理を経験した後、物流施設に特化したファンドのAM事業部マネージャーとして従事。 現在は(株)高野不動産コンサルティングを設立し、投資家や事業法人に対しての不動産コンサルティングを行う。 / 保有資格 ・公認 不動産コンサルティングマスター ・相続対策専門士 ・宅地建物取引士 ・賃貸不動産経営管理士 など