「不労所得が入るから不動産投資を始めてみたい」このように不動産投資を検討する方も多いのではないのでしょうか。確かに、賃料など収入面の魅力はありますが、不動産投資には意外と費用がかかるので注意が必要です。今回の記事では、不動産投資を行う上で必要な費用の中でも特に割合の大きい税金について解説していきます。
目次
1.不動産投資にかかる税金の種類
税金は、国や都道府県、または市区町村に納める必要のある費用です。私たちが日常生活を送る上でも、健康保険税や所得税、消費税など様々な税金を払っています。不動産投資を行うと、上記以外にも様々な税金がかかります。
(1)税金がかかるタイミングと種類
不動産投資をしていく上でかかる税金を考える際、まずはどの場面で税金が発生するかを考える必要があります。税金が発生するタイミングと主な税金の種類は以下の通りです。
物件取得時 | ・不動産取得税 ・消費税(建物や仲介手数料に課税) ・登録免許税 ・印紙税 |
保有時(運用時) | ・固定資産税 ・都市計画税 ・事業所得税 |
売却時 | ・譲渡所得税 ・消費税(仲介手数料) ・印紙税 |
2.税金の種類と概算の費用
不動産投資をしていくと、場面ごとでに様々な費用が発生します。その中でも、金額が大きく不動産投資をする上で避けては通れない税金の種類と概算の費用について解説していきます。
(1)不動産取得税
不動産取得税は、不動産取得税とは物件を購入したときに必要になる税金です。土地および建物双方に課税されます。税額は、土地と建物の固定資産税評価額に対して4%です。ただし、それぞれに特例があります。
注意すべき点は、物件購入時ではなく、購入してから一定期間を経て納付書類が送られてくることです。
(2)消費税(仲介手数料、建物消費税など)
消費税は、物件を購入した際に売買代金に課税されます。ただし、消費税が課税されるのは建物だけで土地には課税されません。
また、不動産を購入したり売却する際、不動産業者に仲介を依頼するのが一般的ですが、仲介が成立した際の不動産業者へ支払う仲介手数料も課税対象となります。
(3)印紙税
不動産の売買契約を締結する際の「不動産売買契約書」も印紙税の課税対象文書です。契約書の数に応じて収入印紙を貼り付ける必要があります。通常は、不動産売買契約書は売主と買主それぞれ1通ずつの合計2通作成する必要があります。収入印紙の費用は契約書双方が折半して支払うのが一般的です。
(4)登録免許税
不動産の購入際し、所有権を売主から買主へ移転する旨の登記をしますが、その際に必要になるのが登録免許税です。
また、金融機関から借り入れをして物件を購入した際、抵当権を設定することになりますが、抵当設定時の登録免許税については買主が負担するのが一般的です。
(5)固定資産税
固定資産税は、固定資産を所有している人に課せられる税金です。毎年1月1日時点で、固定資産課税台帳に名前のある人に課税されます。土地と建物それぞれに課税されます。
納付書は毎年4~5月頃に送付されてきます。分納という形で年4回に分けて支払うのが一般的です。
(6)譲渡所得税
譲渡所得税は、不動産を売却して利益が出た場合に、利益に対して課税される税金です。取得したときの価格よりも売却したときの価格が低い場合は利益が発生していないので税金は発生しません。
税率は、所有していた年数によって変動します。長期で所有していた場合よりも短期で譲渡した場合の方が税率は高くなります。
まとめ
不動産投資を検討する際、重要になるのはかかる費用の試算を丁寧に行うことです。いくら収入が入るかも重要事項ですが、不動産投資は年単位で行うため長期的に発生するお金もしっかり確認しましょう。
特に税金は支払いを怠ると不動産の差し押さえにまで発展する経費であるため、かかる税金の種類と費用は正確に把握しておくことをお勧めします。
高野 友樹(不動産コンサルタント)
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