相続は誰でも一生のうちに一度は必ず経験する出来事です。しかし、何度頻繁に経験することではないため、いざ相続が発生した際に慌ててしまう方が多いのではないでしょうか。相続手続きをしっかり行わないと、税金を余分に支払ったり、財産を手放すことにもなりかねませんので十分に注意しましょう。今回の記事では、相続発生から相続税申告までの流れを分かりやすく解説していきます。ぜひ参考にしてください。
目次
1、相続発生から相続税納付の流れ
相続が発生した際、重要なのは全体の流れを掴み、それぞれのタイミングでするべきことを期限内に対応することです。
相続税の申告や納付には期限が定められていることが多いため注意が必要です。それでは実際に、相続発生から相続税納付までの流れを確認しましょう。
(1)相続の発生
相続は、被相続人の死亡とともに開始します。まずは役所に死亡届を提出し葬儀の準備をしましょう。同時に遺言書を確認し、被相続人が相続に対して特別な意思表示をしていたかどうかを確認します。
後々のトラブルを未然に防ぐためにも、相続人調査は必ず行いましょう。万が一被相続人が養子縁組をしていたり隠し子がいた場合、そのことが後日発覚してしまうとせっかくの遺産分割協議も無駄になってしまいます。
戸籍謄本を確認するなどして、相続人の調査は正確に行い人数を把握しましょう。
(2)相続を選択する
被相続人の財産を確認の上、自身が選択する相続を決定します。相続人は、単純承認、限定承認、相続放棄という3つの選択肢から相続方法を選びます。それぞれの内容は以下の通りです。
単純承認 | 被相続人の、財産も借金などの負債も「全て」相続すること |
限定承認 | 財産で借金や負債を精算して、その上で財産が余った場合は相続すること |
相続放棄 | 財産も負債も全て放棄し相続しないこと |
(3)遺産分割協議
遺産分割協議とは、相続財産の分配割合や分配方法を決める協議のことです。遺産分割協議は相続人全員が参加する必要があります。なお、相続税の申告は10ヶ月という期限が設定されているため、期限内に申告できるよう早めに協議を成立させましょう。
相続する財産を話し合う協議であるため、親族同士であっても揉めてしまう可能性もあります。親族間同士のトラブルを未然に防ぐためにも、第三者や専門家に仲介に入ってもらい手続きを進めることも得策でしょう。
(4)相続財産の名義変更手続き
相続財産の中には、現金以外の資産が含まれているケースが多いです。たとえば、不動産や株式、預貯金なども相続財産に該当します。被相続人の名義になっている相続財産は、譲り受ける相続人へ名義変更する必要があります。
特に不動産登記の名義変更は、早めに済ませることをお勧めします。登記をしておかないと、売却するときや、不動産を担保に資金調達をする際の手続きに余計な時間がかかってしまいます。
(5)相続税の申告・納付
相続をすると、その相続財産の評価額に応じて相続税が課税されます。
相続税には「基礎控除」という制度があるため、相続財産の額が一定金額に満たず基礎控除内に収まる場合は納税は不要です。しかし、相続税納税の必要があるのに申告を怠ってしまうと、「無申告加算税」という税金が課され、通常の税金よりも余分に税金を払うことになるため十分に注意しましょう。
まとめ
相続方法の決定や、相続税の申告には期限があります。期限を過ぎてしまうと、結果的に余計な支出が増える可能性があります。相続手続きは、たくさんの人が関与しながら進んでいきます。そのため、今回の記事を参考に、相続に関する手続きの全体像を把握して、期限内に遅滞なく進めていきましょう。
高野不動産コンサルティング事務所では、相続対策のご相談を承っています。相続税にお悩みの方はお気軽に専門のコンサルタントにお問い合わせください。
高野 友樹(不動産コンサルタント)
最新記事 by 高野 友樹(不動産コンサルタント) (全て見る)
- 初心者向け不動産投資の基礎知識とメリット・リスク - 2024年9月14日
- 【賢い資産運用】不動産投資を活用した節税の手法 - 2024年5月11日
- 不動産投資でマイナス収支にならないための基礎知識 - 2023年11月11日